昔、「低公害」という単語がよく使われました。このところはもっぱら「低環境負荷」といいます。ロケットを考える際には、「高性能」「高信頼性」「低価格」といったキーワードがすぐに思い浮かびますが、「低環境負荷」というキーワードは常にリストアップされてきたものの、いつも下位、誰からも本気にされてきませんでした。ところがこのところ、少し風向きが変わってきています。 固体ロケットでは、その燃料中に過塩素酸アンモニウム(NH4ClO4)が酸化剤として、アルミニウム(Al)が金属燃料として含まれます。そして燃料が燃えて、塩化水素(HCl)ガス、アルミナ(Al2O3)の粒子が出てきます。酸化剤NH4ClO4が分解することによりHClが出てくることは何となく分かっていただけるかと思います。また、アルミニウムが燃えて(酸化されて)アルミナになることもOKでしょうか? 塩化水素はすぐに塩酸と結び付きます。誰の目に