同じ推進剤を使う巨大なサターンVの第1段F-1エンジンよりも大きな推力、1割以上高い比推力。柔軟な出力調整(スロットリング)能力、再利用性。 この高性能を支えているのが、高圧燃焼の技術だ。2段燃焼サイクルは当たり前。LE-7Aの2倍以上、スペースシャトル主エンジン(SSME)よりも2割以上高い燃焼室圧力を達成している。2段燃焼サイクルの場合、プリバーナーは主燃焼室のほぼ2倍の圧力で燃えている。RD-170のプリバーナーは500気圧もの高圧燃焼を実現している。 しかも、RD-170の場合、プリバーナーが酸化剤リッチで燃焼している(LE-7A/SSMEは燃料である水素リッチ)。何百℃もの温度の酸素過剰な高温ガスを発生させ、それでターボポンプのタービンを駆動しているのだ(実際問題として、ケロシンが燃料だと、過剰なケロシンが高温で分解して炭素が配管やタービンに附着するので、事実上燃料リッチの燃焼は
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