きのうの記事に対しては、いろんな人から「民主党は算数もできないのか」といったコメントがついたが、もちろん算数ができないはずはない。民主党の名誉のためにいうと、政策を発表する前には政調会で議論し、専門家も呼んで議論する(私も何度か呼ばれた)。官僚出身者や弁護士も多いので、政調会ではかなり専門的な議論が行なわれる。問題は、それを政策としてまとめるとき、選挙向けのバイアスが入ることである。 このバイアスは、必ずしも非合理的とはいえない。なぜなら、有権者も同じバイアスをもっているからだ。Caplanが行動経済学的な実験の結果として報告するように、アメリカの有権者には次のようなバイアスがある:反市場バイアス:市場メカニズムをきらう 反外国バイアス:輸入品をきらう 雇用バイアス:雇用の削減をきらう 悲観バイアス:経済状態を実際より悪く評価するこういう特徴は日本でも同じであり、Rubinもいうように、