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午後七時、仕事が一段落したので休憩室へと足を運ぶ。休憩室は僕ひとりだった。窓の下には鉄道が東西に伸びている。時折走りすぎていく等間隔に切り取られた四角形の光。ビルの黒いシルエット。先端で点滅する赤い光。星のない夜景は人口の光と影で構成されているといっていい。 そんないつもと変わらない光景を眺めていたら、なぜか駄目だぁと気が滅入ってきた。駄目な気分で僕の身体が喉のあたりから真っ二つに引き裂かれてしまいそうになった。僕は誰も見ていないのをいいことに窓に手をつき、膝をがくりと落として落胆を体全体で表してみた。「駄目だああああああ」ズルー。「僕はもう駄目だああああああ」ズルルルルー。湿り気を帯びた窓ガラスに僕の手の跡が真っ直ぐについていく。 「何が?」 誰もいないはずの空間に同僚が立っていた。いつからどこからいつの間に。「いや、自分はアニメにたとえるとどのあたりの立ち位置っていうの?キャラクターな
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