江戸の遊女…と言われてたいてい連想するのは、吉原の花魁(おいらん)。江戸を舞台にした映画やドラマでも、遊女と言えば吉原の花魁が登場するのが普通ですよね。確かに、吉原は幕府公認の遊郭だったため格式が高く、吉原の花魁は遊女のスター的存在ではありました。しかし、吉原以外にも江戸にはたくさんの遊郭があり、それら非公認の遊郭は「岡場所」と呼ばれ、吉原よりも気軽に遊べる場所として非常に人気があったんだそうです。 そんな江戸の有名な岡場所のひとつが、品川。東海道(江戸の日本橋〜京都の三条大橋)第一の宿場町で、多くの遊女屋が軒を構えていました。川島雄三監督の映画『幕末太陽傳』は、この品川で随一の人気を誇った「相模屋」という実在した遊女屋を舞台にしているという点でも、ちょっと珍しい作品です。 品川の遊女、コハル(南田洋子)とオソメ(左幸子)は、No.1を競うライバル同士。だけど最近のオソメは売上が悪く、