すでに述べたように、国家公務員法102条は政治的行為を禁止し、その内容を人事院規則14-7に包括的に委任している。そして、「猿払事件」の最高裁判決は、郵政事務官が地区労組協議会の決定に従って日曜日に選挙用ポスターを掲示し配布したという行為について、1審と控訴審の無罪判決を破棄して有罪とした(最大判昭49・11・6)。しかしこの判決には4名の裁判官の反対意見があり、学説もほとんどが批判的な対応を示した。主要な憲法学説のほか、刑法では当時の藤木英雄教授が、「勤務時間内か時間外か、庁舎の内か外か、公務員であることを離れた純然たる一介の私人として行為したか、それとも明らかに公務員であることがわかるような形で行為したか・・・・・の如何を問わず、一律に人事院規則所定の行為を禁止し、その違反に刑事罰をもって臨むという規定の仕方が適切を欠く」と明言されていたのが注目される。 ところで、今問題になっている「
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