2006年09月08日23:47 カテゴリlawyering 法律相談の理念と技法(1) 1 はじめに 実務法律家(弁護士に限らず、裁判官、検察官を含む)の役割は何か。それは、①社会に生起する紛争、事件、葛藤の中に分け入り、対立、錯綜する主張や証拠から具体的な事実を見きわめること、②見きわめた事実に適用するのにふさわしい法的ルールを発見、創造すること、③具体的な事実を見きわめたり、ふさわしい法的ルールを発見、創造した判断プロセスを条理と論理によって他者に伝達、説得し、紛争当事者や利害関係者に自発的、強制的変容を促して紛争の収拾をはかること、である。実務法律家が用いる主要な武器(道具)は「言語」である。実務法律家の上記の役割を適切に果たすことはとても難しい。これから何回かに分けて「法律相談の理念と技法」をとりあげる。法律相談の理念と技法の中に実務法律家が体得するべきエトスと技能が凝縮されてい