『危機の新聞 瀬戸際の記者』 評者・黒木亮 著者 坂夏樹(元毎日新聞記者) さくら舎 1760円 厳しい現実を冷静に直視 元毎日新聞記者による訴えを読む 今や日本の財政、新型コロナ、政治など、さまざまなテーマに関し、膨大な数の「トンデモ説」がネット上で飛び交う時代になった。 しかも、ものによっては、国民の半分くらいがそれを信じていたりするので、始末が悪い。そういう人たちに会って話をすると、ほぼ全員が、スマホでネットニュースやSNSばかり見ている人たちだ。 他方、事実をきちんと認識し、洞察力を感じさせる意見を持つ人たちは、たいてい新聞を読んでいる。 書き散らしのネットニュースやSNSと違い、新聞の場合、記者が現場で取材したり1次資料を入手したりして原稿を書き、それをキャップ、デスク、整理部など、複数の目でチェックし、はじめて記事になる。 国家の健全な運営は、国民の良識あってこそだが、その土台
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