大阪市は10日、市営地下鉄会計の2010年度決算(速報値)で累積赤字を解消した、と発表した。建設費の負担などで経営難が続く全国9都市の公営地下鉄では初めてという。 大阪市の「高速鉄道事業会計」は10年度、239億円の黒字を計上。乗客の減少で運輸収益が09年度より約9億円減少したものの、8年連続の黒字となった。02年度には約2900億円にのぼった累積赤字が解消され、186億円の剰余金を計上した。 市交通局によると、この20年間ほど、新規路線が開業しても職員を増やさずにやりくりするなど、人件費を抑制。企業債の発行を控えて利払いを減らす努力を続けてきたことも赤字解消に寄与したという。