卓越したアクションシーンが魅力の『ジョン・ウィック』シリーズであるが、最新作の『コンセクエンス(Chapter 4)』では防弾仕様のスーツを主人公ジョン・ウィック以外のその他大勢にも装備させる大胆な采配によって、アクションのリアリティをこれまで以上に押し上げることに成功した。ここでは、備忘録としてスーツの果たした役割について書き留めていく。 (なお、スーツの機能以外の内容には踏み込まない) 道具以上の存在となったスーツ 現実にも特殊な裏地を仕込んだ防弾仕様のスーツ(以下スーツ、防弾スーツ)は存在しており、軍用の防弾ジャケットやチョッキのような野暮ったい格好が、かえって不自然で危険を増してしまう要人警護のような場面で既に使われているそうだ。複合材や繊維、衝撃吸収ゲルなどの材料科学分野はホットな先端技術であり、装備品を軽量化する要請は軍からも当然なされるだろうから、より高度なスーツが存在してい
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