奈良県橿原市で意識もうろうの状態で保護された男性(44)が「緊急性がない」と救急搬送を断られた後、意識不明となったとして、男性と両親=同県大淀町=が、中和広域消防組合(橿原市)に約2億5230万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、奈良地裁であった。坂倉充信裁判長(一谷好文裁判長代読)は「重症疾患を負っている疑いがあり、救急搬送する必要性があったのに判断を誤った」として搬送義務違反にあたると認定。約1億3860万円の支払いを命じた。 判決によると、男性は06年11月14日夜〜15日未明にかけて、橿原市内のスナックで酒を飲んだ後、頭を強打。その後、橿原署の敷地内にいたところを保護された。署員の通報で駆けつけた救急隊員3人は、男性が飲酒して軽傷を負ったと判断。搬送を求める家族に対し、「アルコールが入っているため受け入れ先がない」などと話し、病院に連絡せずに自宅に帰した。しかし、男性の症状は