工事進行基準に対応するには,実際に発生した原価(実際原価)を正確に集計する必要がある。実際原価は従来の工事完成基準でも集計しなければならなかったが,「工事進行基準では実際原価のなかでも特に労務費と外注費をきめ細かく集計する手間が増える」(工事進行基準に詳しい,会計意識 代表で公認会計士の岩谷誠治氏)。そのため労務費と外注費の集計のそれぞれで,対策が求められる。 まず労務費では,プロジェクトのメンバー一人ひとりが費やした時間をプロジェクト別に集計することが不可欠になる。プロジェクト別の実際原価を正確に集計するためだ。その際,プロジェクト間での労務費の付け替えを防ぐことが必要である。 現状では「採算が厳しいプロジェクトの労務費を,余裕があるプロジェクトに付け替えることがある」(大手システム・インテグレータのプロジェクト・マネージャ)という声が聞かれるが,今後は通用しなくなる可能性が高い。なぜな