RESEARCH 原始生命体の分裂機構に迫る 細胞膜の過剰生産が起こす細胞分裂 川合 良和ニューキャッスル大学 現存するバクテリアのほとんどは、細胞膜の外側にペプチドグリカンを主成分とする細胞壁を持っており、その分裂には細胞壁の成長が不可欠です。人為的に細胞壁を失わせたプロトプラストは分裂できません。では、バクテリアが細胞壁を獲得する以前の原始の細胞はどのように分裂していたのでしょう。 川合良和さんたちは、細胞壁を失っても増殖できる枯草菌の「L型株」に注目し研究を進めてきました。規則正しく制御された分裂と異なり、L型株の分裂は不規則ですが、細胞壁がないにもかかわらず分裂するという点は原始の細胞を思わせます。ここから、分裂を引き起こす因子を探り、原始の細胞分裂の謎に迫ります。
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