【科学の本質を探る⑪】ニュートン力学からカオス理論へ―決定論的世界観の成立と崩壊(その2)決定論的世界観がピークに達した時 阿部正紀 前回、ニュートンは、自然は神によって統治されていると主張した神秘主義者であり、機械論的自然観に反対していたのに、彼の後継者によって機械論者に祭り上げられたことをお話ししました。 今回は、太陽系が混沌状態(今日カオスと呼ばれる状態)にならないように、神が常に手直ししているとニュートンが考えていたことを説明します。そして、これに反対したラプラスが、世界のすべての現象の未来は予測できると想定する決定論的世界観を強く主張したことを紹介します。 【今回のワンポイントメッセージ】 ラプラスが決定論的世界観を声高に主張して広めた時をピークとして、決定論は衰退し始めた。 カオスを予感したニュートン ニュートンは、太陽系の惑星と惑星の間に働いている弱い引力の相互作用によって、
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