「レディジョーカー」(WOWOW)ドラマと映画の違い ドラマをずっと見ていて、映画を見ると、やはり映画のほうがすごいと思うこともある。2時間以内に物語を濃縮し、お金と時間のかけ方も映画のほうが遙かに大きい。 だが、時折、映画以上と思えることもある。例えば、高村薫の『レディジョーカー』(1997年)、横山秀夫の『64(ロクヨン)』(2012年)のような小説は、ドラマ化(前者2013年、後者2015年)も、映画化(前者2004年、後者2016年)もされたが、ドラマのほうが丁寧に描かれており、大部の長編小説はドラマのほうが合う。 ドラマのメリットは、長い尺がとれること、毎回、起承転結が重ねられていくことだ。これは、連載小説と読み切り小説の違いにも似ている。日本の小説文化は、夏目漱石、永井荷風を例にとるまでもなく、新聞小説、さらに雑誌の連載で培われたといえる。そのため、ドラマと連載小説や長編小説は