毎年、梅雨入りの少し前の時期から、久留米大学病院の睡眠外来では、4月に就職したばかりの新社会人の受診者が増えるそうです。なぜこの時期に新社会人の受診者が増えるのでしょうか。睡眠研究の第一人者、久留米大学教授の内村直尚さんの解説です。【ジャーナリスト・村上和巳】 ◇中学校を境に始まる日本人の夜型化 受診者の多くは「昼間の耐えられない眠気」を訴えます。中には業務時間の会議中や上司と話しながら居眠りをしてしまい、上司の命令で受診したという深刻な事例もあります。受診の理由極めてシンプル。睡眠不足だからです。ただ、睡眠不足を甘く見てはいけません。医学的には「睡眠不足症候群」という病名が付く、立派な病気です。しかも、とりわけ新社会人の睡眠不足は、現在の日本社会が抱える子供の生活の夜型化という社会的な問題と無縁とは言えません。 文部科学省が小学5年~高校3年を対象に2014年11月に行った「睡眠を