□玉井誠一郎さん 知財ブランド協会代表 ■特許を腐らせている日本企業 守るのは警察でも弁護士でもない。 日本が国家戦略として知的財産の創出、保護と活用につとめる「知財立国」を掲げて10年あまり。多数の特許を取得する電機メーカーの業績不振が続くなど知財戦略は十分機能していない。パナソニックで技術開発や知財管理に携わった経験を生かし、企業などの知財管理を行う知財ブランド協会代表の玉井誠一郎さんに、知財と歩んだ人生と日本に必要な戦略を聞いた。(聞き手 宇野貴文) −−知的財産権はどういう権利なのでしょうか 玉井 日本国憲法では基本的人権が保障されていますが、それと並ぶぐらい大切な権利です。米国は建国の精神として憲法の第1条で知財の保護をはっきりと宣言しています。知財が侵害されることは、自分の家に忍び込まれるのと同じという感覚ですね。だから、訴訟の仕組みも整っている。産業が疲弊した19