■言葉を使わない恋愛 『きみといると』は言葉を使わないマンガである。緊張すると腹痛になる高校生と、九州の方言を気にする女の子のマンガである。初心な二人が少しずつ歩み寄っていくところを描いた、ストレートな恋愛ものだ。 ■難しい言葉を使わず、仕草を見る 彼らは言葉を使わない。声を出さないという意味ではなくて、知らない単語を使おうとしない。身の丈に合わない言葉を使わないのだ。恋なのか、愛なのか。好きなのか。自分の気持ちを単語に当てはめることを拒否する。 代わりに、彼らは擬音を使う。好きなのかどうなのか、考えるのではなく。相手を見ていると「ぎゅっと」する。「ほわ~」となる。よく分からない単語を使うことを止めて、自分の体が感じたものをそのまま口に出す。 一方で、彼らは仕草に敏感だ。相手のちょっとした身振り手振り、仕草に心を動かし、気付く。説明する身振り、別れの手振り、火照った頬を叩