町指定史跡(昭和59年1月11日指定) 御宿町新町千人塚(管理:妙昌寺) 新町の共同墓地を千人塚と呼ぶが、これは元禄16年(1703)11月23日丑の刻(午前2時)安房東南海底を震源とする大地震の発生に伴い、未明大津波が来襲した。この大地震は県下各地に大被害を及ぼしたが、就仲安房、夷隅、長生、山武の沿岸部一帯を総なめにし、山武、長生、夷隅の死者は数千におよんだ。中でも我が御宿は津波の高度8メートルという最高規模の被害を蒙ったのである。 大正3年発行の「御宿案内記」によれば、「千人塚は新町の東方にあり、元禄16年11月地大いに震い大海嘯あり多数の死者を出す。即ち死屍を集めてこの墳を築きけりとあり。」これが一般的に信じられている通説で280年に及ぶ伝承であるが、この塔碑面刻銘年号正保とあるため、元禄死者供養塔であることを否定する向きもあるので、文化財指定申請に当たり詳細な検討調査の結果次