和文組版,その来し方行く末 ~いまだからこそ「こだわり」とその背景を知ろう~ プロとして組版に関わっていく第一歩は、「ルール」や「方法論」を丸暗記することではなく、その背景を知ることである。このルールや方法論は試行錯誤の結果であり,機器の制約や経済情勢の妥協点の産物でもあります。その理由を知ることが将来の日本語文字組版の発展につながるのだろう。 編集者で日本エディタースクールの講師も務める大西哲彦氏に話を聞いた。 Q: 現在、印刷博物館(東京)の企画展として「ヴァチカン教皇庁図書館展」(書物の誕生~写本から印刷へ)が開催されていますが、改めてこれらを眺めてみますと、複製術としての印刷技術以前(グーテンベルグ)に、高度な表現技術がすでに確立されており、書物の原型ができあがっていることに驚かされます。日本ではやっと組版についてのルール(JISX4051)ができた状態ですが、このギャ