過去数年にわたる分散系システムの急速な普及によって、企業システム全体の運用管理コストは増大の一途をたどっている。そうしたなか、サーバの設置場所や数を見直す動きが活発化している。すなわちサーバを集約あるいは統合しようというトレンドが出てきたのだ。本連載では、サーバ統合に焦点を絞り、3回にわたってその実例とメリットを紹介する。第1回目の今回は、そもそもなぜサーバ統合が注目されることになったのかを明らかにしよう。 吉川日出行/國分俊史 (株)富士総合研究所 企業システム第3部 サーバ分散の背景 サーバの台数が増え始めたのはいつごろのことだったろうか。それは、それほど昔の話ではない。 1980年代までは、業務システムと言えば、大規模ホストを中心とした中央集権的なものがほとんどであった。しかし、1990年代に入ると、PCの性能の飛躍的な向上とその普及、さらにはUNIXやWindows NTと