今から7〜8年前だったと思う。当時のソニー会長の出井伸之氏が報道ステーションでのインタビューで「サムスンから学ぶことは何もなかった」と語っていた。WEGAという平面ブラウン管技術を持つがあまり、薄型液晶への投資が遅れ、サムスンと提携したことを振り返っての発言だったと思う。 技術面では確かにその通りだったのかもしれない。しかし、きっとソニーはほかに学ぶことがあったのだと思う。その後のサムスンの躍進のヒントがそこにあったはずだ。 「サムスンの決定はなぜ世界一速いのか」はサムスンに電子常務として10年勤務した経験を持つ著者が書いた世界首位を走り続けるサムスンの秘密だ。 サムスンや韓国企業は日本ではまだあまり評価されていないように感じるし、下手をすると、褒めた人間が売国奴扱いされかねない。だが、ここまで成長していることは紛れもない事実であり、そこから生ぶことは多いはずだ。本書が真実を語っているかど