ビジネス分野の物書きならばよく知っているように,カリフォルニア州クパチーノ注)の「神童」の仕事を少しでもけなそうものならば,Appleファンの逆鱗に触れて,たちどころに打ちのめされてしまう。我々がMacBook Airの分解記事で,Apple社の設計は効率の点で改善の余地があると指摘した後に出くわしたのは,ちょっとしたそれだった(関連記事)。我々の主張を米Wired誌のブログが取り上げて以来,記事を非難するコメントが次々に届いている。 注)同地にはApple Inc.の本社がある。 まず背景を整理しておきたい。日本のノート・パソコン・メーカーは,小振りなサブノート・パソコンを長い間手がけてきた。日本の消費者は少々高くてもコンパクトな機種を買ってくれるからで,ほとんどの機種が日本市場だけに向けたものである。たとえば,本誌の記者も重宝がっている,松下電器産業のレッツノート・シリーズ。同社のWe