世界的に有名な「復讐劇」と言えば? ──やっぱり、知名度では『ハムレット』が断トツかしら。ご存知、シェイクスピアの著作であり、四大悲劇のひとつとして謳われる長編戯曲。ただしその分類ゆえか、どちらかと言うと “復讐” よりも “悲劇” をキーワードとして語られる印象もあったりなかったり*1。 一方で、日本では『巌窟王』の名で親しまれている『モンテ・クリスト伯』その人を、「復讐者」の代名詞として挙げる人も多い。僕自身、いまだ不思議と敷居の高さを感じる『ハムレット』よりは『巌窟王』のほうが親しみやすいように思うし、実際、後者は少年時代に読んだ記憶もある。 巌窟王 (講談社青い鳥文庫) アレクサンドル デュマ 講談社 1989-05-10 Amazon 楽天ブックス 思い返してみれば、子供心に「難しそう……」と感じられた『ハムレット』に対して、児童向けの『巌窟王』は安心と信頼の青い鳥文庫。読みやす