ただ、この本は本当に物理学の講義なので、一般向けと考えるとやや数式が多い。 その反省を生かして、最もショッキングな結論をタイトルに持ってきたのが、今回紹介した「時間は存在しない」なのだ。 この本は、いわばループ量子重力理論における「ホーキング、宇宙を語る」である。 「ホーキング、宇宙を語る」が何故評価されたのかと言えば、数式が出てこなかったからだ。 「時間は存在しない」にも数式は一本しか出てこない。しかもそれは、ちょっと利口な小学生でも理解できる程度の簡単なものだ。 ⊿S ≧ 0 Sは乱雑さの度合い(エントロピーと呼ぶ)であり、⊿(デルタ)は差分を意味する。この式が意味することは、「暖かいものは放っておけば必ず冷める」という誰もが知っていることでしかない。 著者によれば、この式は、物理学の世界において「時間が存在する」ことを直接意味しない。 本書は、我々が当たり前のように存在を受け入れてい
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