ソニーが自動車用のリチウムイオン電池事業に参入すると表明した。この分野は参入障壁が高く、自動車と電機の企業間提携も固まりつつある。勝機が見えにくい中、なぜソニーは再び部品事業に資源を振り向けるのか。 「事業化を探るということなのか、量産を目指すという意思表明なのか。“本気度”を教えてほしい」 「もちろん本気で参入するつもりですよ」 11月19日、ソニー本社で開かれた経営方針説明会。ハワード・ストリンガー会長兼社長の横で、記者の質問に吉岡浩副社長は笑いながら答えた。 ソニーはこの日、2012年度までに売上高営業利益率5%、自己資本利益率10%を達成するという目標を掲げた。2010年度には赤字続きのテレビ、ゲーム両事業を黒字化すると言明、首脳陣はハードとソフトの融合を進める戦略の説明に長い時間を費やした。 その一連の説明の中で、趣が異なったテーマが挙がった。 「自動車用電池ビジネスへの参入検討