最終的に「プレパッケージ(事前調整)」型の法的整理を用いた再生を目指した日本航空(JAL)の再建策は、お手本の米ゼネラル・モーターズ(GM)の例とは似ても似つかない泥縄方式に陥った。 原因は、閣内で「子ども大臣」と揶揄された前原誠司国土交通大臣の常軌を逸した未熟さと、手段に過ぎない法的整理をゴールと履き違えた企業再生支援機構の幹部たちの素人ぶりにある。 JALはまだ正式な会社更生法の適用申請というステップに辿り着いたわけではない。しかし、事情通の間では、「裁判所から更生決定というお墨付きを得るのは困難だ」「第2次破綻しかねない」と懸念されているのが実情だ。経済政策におけるこれほどの失政は、明治維新によって、わが国が近代国家に生まれ変わって以来、他に例がないのではないだろうか。 3年後に1157億円の黒字に 転換するというバラ色の絵 まず、筆者が入手した再生計画の原案をご紹介しよう。「Ivy