生活保護の受給基準額に市区町村ごとの差を設けている「級地」について、厚生労働省は2023年度からの見直しに向けた検討に入る。近年の消費実態に合わせるのが目的で、全国の市区町村を六つに分けている現行の区分を三つに整理する案が軸となる。困窮者の支援団体は、基準額が下がる受給者が今後出てくる可能性を指摘している。 【表】生活保護のうち「生活扶助」の区分ごとの支給額の差 生活保護の受給額は、受給する人の年齢や世帯、地域ごとに定めた基準で算定される。地域ごとの基準である級地は1~3級地に分かれ、級地ごとに「1」または「2」の枝番号で額に差を付け、合計6区分ある。1987年に当時の消費実態に合わせて3区分から6区分に細分化して以降、市町村合併による統合を除き、見直してこなかった。 厚労省は昨年、地域ごとの家計の収支などを調べた全国消費実態調査を基に級地の区分数について検証。「4区分以上では消費水準に差