1969年11月、沖縄返還の交渉過程で、当時の佐藤栄作首相とニクソンアメリカ大統領のあいだで交わされた沖縄への有事の際の核持ち込みを認める密約文書を、元首相の遺族が公開した。 沖縄返還は公式には「核抜き」での合意であったが、同時に密約で沖縄への核兵器再持ち込みが許容されていた。 核持ち込みは事前協議の対象案件だが、これについても「遅滞なく必要を満たす」とあり、事前協議が事実上空洞化していたことが明らかになった。 という新聞記事を読んで「びっくりした」という日本人が何人いるであろう。 佐藤元首相は「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」といういわゆる「非核三原則」を掲げて世界平和に貢献したという理由で1974年にノーベル平和賞を受賞した。 私はそのニュースのときの方がよほど「びっくり」した。 55歳以上のおおかたの日本人も私と同じような反応を示したのではないかと思う。 ノーベル賞のときにはび