日本電産の永守重信社長は27日に東京で開いた2010年9月中間期の決算説明会で、レアアース(希土類)を全く使わないで済む次世代モーター「SRモーター」の供給を始めることを明らかにした。12年に重機向け、13年にはトラクター向けで量産に入る。産業用車両が中心だが、機能を改善して電気自動車用の開発もめざすとしている。 SRモーターは、レアアースが材料の永久磁石が不要という。ただ、振動や音が大きいため、まずは建設現場や農業で使われる産業用車両向けで実用化する。同社が8月に買収を発表した電機大手エマソン・エレクトリックのモーター部門の得意技術という。 レアアースは、モーターやエコカー用電池などに幅広く使われる。世界最大の産出国の中国が輸出制限に動いており、価格高騰や調達自体が難しくなるとの予想もある。