南米チリで2月に起きた大地震による津波の力で、日本の太平洋沿岸の地盤が傾いていたことが、防災科学技術研究所の観測で分かった。傾きは最大で1キロ先の地面が1ミリ上下動する程度で、津波の去った後に元に戻った。押し寄せた津波の海水の重みで海底がたわんだ影響とみられる。 同研究所が、全国約800カ所に展開する高感度地震計観測網のデータを分析。津波が日本に押し寄せた2月28日から3月1日にかけて、津波の打ち寄せる周期と同周期のゆっくりした振動が各地で確認された。 分析の結果、北海道から九州までの太平洋側沿岸の地盤が、何回も来襲した津波に合わせるように、海側が低くなったり、高くなったり繰り返した。最も傾いたのは福島県いわき市の1キロあたり1ミリで、28日午後2時〜4時の間に観測された。 分析した小原一成・地震観測データセンター長は「今回の分析を応用すれば、検潮計がない場所の津波の高さが推定でき、