これまで2回にわたって紹介したマイク・ケラー氏の講演録では、マルチメディア機器とネットワークコミュニケーションが「本」にもたらす影響、情報検索の重要性などをふまえ、未来の図書館とライブラリアン(図書館司書)が果たすべき役割を示した。最終回の今回は、マイク・ケラー氏が関わるプロジェクトについて、国立情報学研究所の高野明彦教授が聞く。質疑応答では、書籍のデジタル化がもたらす出版社と読者の関係、アーカイブ事業の運営などについて具体的に説明し、今後、ライブラリアンは、オンラインの検索機能以上の質とサービスを提供していく必要があるとあらためて提唱する。 Through Air設立の経緯と成果 HighWire Press創立の経緯について アーカイブ化から学んだこと ロボットブックスキャニング 書店などの私的企業による本の保存の役割とは? 高野教授(以下、高野):マイクさんのスタンフォードでの最初の