川端達夫文部科学相は9日の閣議後会見で、全員対象方式から抽出方式への切り替えを検討している全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について「個々の学校がその成績を上げることだけに競争し合うのは意味がない」と述べた。 川端文科相が現行方式の問題点を具体的に指摘したのは初めて。「学力向上につながることを否定するわけではないが、その点数だけを上げることは、本来の教育目的とは違うだろうという懸念はある」と語った。 また来年度の実施方法について「諸団体や有識者の意見を聞いて決めるが、抽出方式でまとめようという意思を持っていることは間違いない」と明言。テストの最大の目的は「各地域の教育水準をできるだけ均一化し、向上させること」として「目的を達成するにはそれ(抽出)で十分ではないかという判断だ」と述べた。【加藤隆寛】