6月半ばから世界を賑わせているのが、米国家安全保障局(NSA)が市民の通話記録やインターネット上の情報をひそかに収集していたというショッキングな情報である。それを証拠付きで暴露したのは、米中央情報局(CIA)の元職員でコンピューター技術者のエドワード・スノーデン氏(29)である。氏は、以前からあった市民に対する監視が、オバマ政権で緩むと期待していたにもかかわらず、むしろ強化されたことに失望し、その暴露に踏み切ったという。インタビューで氏は、「政府がプライバシーやインターネットの自由を破壊するのを許せなかった」と述べている。 NSAは、情報収集はテロ対策に必要不可欠であり、実際にこれまでそのような情報によって、アメリカや諸外国のテロ事件を未然に防止できてきたとして、情報収集を正当化する一方、同氏の暴露行為を「重大な機密漏洩」だとして激しく批判している。また、米司法省も6月9日に捜査を開始した