修験道で知られる山形県鶴岡市の出羽三山神社は、三山開祖である「蜂子皇子(はちこのおうじ)」の木像を、開山以来初めて一般公開する。期間は4月29日から9月30日まで。公開は東日本大震災被災者への願いが目的といい、神社は「三山の秘中の秘である御尊像を通して、復興への祈りを伝えたい」と話している。 伝承によると、蜂子皇子は飛鳥時代に出羽三山を開いたとされる皇族の一人。木像は江戸時代初期まで羽黒山五重塔(国宝)に安置されていたが、1619年に現在地の羽黒山山頂の御堂に移された。かつては身分の高い人物に限り拝観できたが、明治以降は完全に一般非公開となった。 公開については、神社内をはじめ一般信者の間でも賛否が分かれたという。「秘中の像を公開して何か起こらないか、大丈夫なのか」といった声も上がった。公開を後押ししたのは、震災復興への思いだった。東北、北関東の被災県に信者が多く、三山は震災発生直後か