1月14日、北陸新幹線の敦賀延伸は計画が3年前倒しとなり、’23年春ごろ開業ということが発表された。ところが、この計画ルートが世界的にも貴重な湿地を分断するとして問題になっている。 福井県敦賀市の東方に広がる中池見湿地は、三方を山に囲まれた約25haの小さな湿地(標高約47m)。環境省のレッドデータ種60種を含む生物種3000以上、本州で確認されているトンボのうち6割以上にあたる72種が棲息し、「トンボの楽園」としても知られている。 湿地は気候などによって変化しやすいもので、中池見湿地のように10万年も湿地であり続けた土地というのは、世界的にも非常に珍しいのだという。それは、断層活動が繰り返されたことによって奇跡的に保たれてきた。 さらに、40mを超える厚さの泥炭層は、尾瀬や釧路湿原(5m程度)と比べても圧倒的だ。その希少な泥炭層と豊かな生物多様性が評価され、湿地とその水源となる山々を合わ