毎年100人以上の作業員が転落死しているビルなど高所の建設現場について、厚生労働省が2009年に足場の安全対策を強化する規則改正や通達をしたにもかかわらず、昨年も09年を上回るペースで139人の死者が出ていることが分かった。 足場のメーカーなどでつくる民間団体の調査では対策が徹底されていないことが判明。背景には不況でコストを削ろうとしていることがあるとみられ、関係者はさらなる対策を求めている。 事態を重く見た厚労省では、規則や通達が現場にどのように反映されているかを検証し、結果を11日にも取りまとめる方針。 厚労省は09年6月、下請け建設業者の要望などを受け、労働安全衛生規則を改正。建設現場の足場には、作業員の足が出ないように囲いを設置するか、手すりを二段構えにすることを義務づけるなどした。 さらに、国の直轄工事で採用されている頑強な足場の仕組みを使うよう、施主や元請けなどの関係各社に通達