以前、ケニアに行く機会を得た。国連のWFP(世界食糧計画)のお手伝いをしている関係で、食糧援助の現場に行くことになり、ソマリアとの国境にある難民キャンプ、干ばつが続いて家畜を失った遊牧民の仮居住地、そして首都ナイロビにある世界最大のスラム、キベラの3カ所を回った。 その際に感じたエイズをはじめとする感染症の問題については、一度このコラムの前身(関連記事:アフリカで見たもの)でも触れたので、ご記憶の方もいらっしゃるかもしれない。 今回は、今振り返ってみても、ケニアで見聞きしたことの中で一番ガツンと衝撃を受けたことについて書いてみたい。極度の貧困や生命の危機に囲まれた状況での、「次世代の将来をつくるもの」への熱情ということについてである。 援助物資よりも教育を望んだケニアの人々 ケニアで回った3カ所それぞれで、同じ質問をしてみた。食糧援助の現場なので、「食糧以外に、どのような援助を期待しますか