どうも私が誤解していたようですね。「安冨さんのおっしゃる通り」は撤回します。ただ経済学が、医学のような「臨床の知」でなければならないというのは、私もある意味では同感です。 経済学はそもそも科学なのか、というのも古くから論じられてきた問題です。ワルラスやパレートは自然科学に近い厳密科学として経済学を構築しようとしましたが、ケインズは経済学は「歯医者の仕事」のようなつまらない技術だ考えました。最近ではマンキューも、経済学は科学ではなく技術だとしています。 私はケインズやマンキューに賛成です。経済学の対象とする社会は、非常に複雑性が大きく、自然科学のような厳密な法則性を見出すことは困難です。へたに自然科学を模倣すると、新古典派のような疑似科学になってしまう。それよりアドホックでもいいから、現実に役に立つほうが重要です。経済学者の本業はパンフレットを書くことだ、というケインズの言葉を私が引用したの