ロンボルグの主催した第1回コペンハーゲン・コンセンサス会議の記録。すでに第2回会議の記録が出ているので情報が4年古いが、基本的な考え方は同じだ。これまでの訳者の気持ち悪いタメグチの訳文ではなく、まともな日本語で訳されているのがいい。 「環境立国」を唱える向きも多いが、環境問題というのはグローバルな課題の一つにすぎず、唯一の問題でも最大の問題でもない。「すべての選択にはトレード・オフがある」というのが、マンキューの教科書の冒頭にも掲げられている経済学の根本原則だが、思い込みの強い科学者や、危機感をあおってネタにしようとするマスコミには評判が悪い。そういう人々には、せめて本書ぐらい読んでから議論してほしい。