現代の虫歯治療は麻酔をするので痛くはないが、江戸時代の歯医者は「歯が痛い」とやって来た患者を、屈強な歯科助手が後ろから押さえつけ、ヤットコのような抜歯器具をグイグイと口の中に突っ込み、麻酔もなしで痛い歯を挟み込むと、そのまま無慈悲に〝引っこ抜いていた〟というからオゾマシイ! これは考えただけでも冷や汗が出てくる…しかも、こんなヒドい歯医者ですら、行けるのは金持ちだけ。貧乏人はただ痛みに耐え、神社で神頼みする以外に方法がなかったそうだ。 江戸時代の死因のトップは虫歯だった? しかし、虫歯は自然には治らないものだ。虫歯を抜歯せずに放置すれば歯神経が徐々に侵され、アゴの骨を溶かしながら大きな膿の塊ができ、脳に侵入したり全身に広がり、最悪死に至ることも…。 正確な統計はないが、歯科医など専門家の推測によれば、江戸時代の死因のトップは「虫歯を放置したことによる敗血症ではないか?」という意見もあるぐら