最近<意味と強度>について書いているので(こことここ)、それをよく表現したアルベール・カミュ『異邦人』(1942)を読んだときの読書メモを載せておこうと思う。 以下メモから。 アルベール・カミュ著、窪田啓作訳『異邦人』(1942)新潮社 ★★★★★ 最近ニーチェを読んでいるので、ニーチェの影響が強そうなカミュ(1913−1960)を読んでみた。最初の一冊はやはり本書だろうということで。自分が読んだのは新潮文庫版(改版)。読んだ感想はすばらしい出来。文庫100ページ強の短い中に凝縮されているのもよい。これだけ有名な作品なので今まで散々論じられているのだろう。言うまでもないが、自分の読み方ということで以下メモしておく。 まず小説の書き方として、冒頭の「きょう、ママンが死んだ」から始まる、主人公ムルソーの母親の葬儀の描写がすばらしい。太陽の強烈さなど。カミュの生まれ育ったアルジェリアの太陽。 次