TV放映版はEDクレジットなしで、結末から直接『Q』の新作予告映像へ繋がる。 映画としては、見せ場を順番通りに繋いだ構成が相当にいびつ。おそらくTV放映当時の多くが望んでいた展開なのだろうが、もともと当時のTV版に乗り切れていなかった観客としては、最後の盛り上がりにも熱くなりきられない。中盤の退場劇を少女一人に集約して結末の情動へ繋げたり、TV版で少年が担当していた全裸が見えないギャグを少女で再演したりの、再構成の手腕が興味深いと感じるだけだった。 たとえば第9使徒戦後の帰宅描写を削り、拘束された場所にいるままで父や上官との別離を描き、そこへたたみかけるように第10使徒が攻めてきた……という展開であれば感情の流れが分断されずクライマックスへ突入できて、主人公が退避場所に一人だけという御都合主義も減じたと思う。 新登場のキャラクターは、『破』から見た観客に対して冒頭で世界観を説明しつつ、TV