仕事が生き甲斐だった男性が認知症に。居場所がなくなる恐怖|『認知症が見る世界』に載らなかったエピソード 秀樹さん(70代男性)は妻(60代後半)と娘(50代 看護師)と一緒に暮らしていた。 営業職についており、管理職として後輩育成をしていたが 「自分が今の立場にいると若い人たちが活躍できないから」という理由で 60歳で早期退職する。 認知症の症状はある日、突然出るわけではない。 気づかないうちに徐々に進行していく。 秀樹さんの早期退職の背景にも軽度認知症の症状が影響していたのではないかと ヘルパーは振り返る。 早期退職後、軽いパートをしていたが、記憶障害が出始め、仕事を続けることが難しくなった。パートの仕事もリタイヤする。 リタイヤ後は、自宅で犬の散歩や奥さんの家事の手伝いなどをするが、散歩の途中で迷子になるようになる(見当識障害)。 一般的に認知症になるとメタ認知(自分を客観的に把握する