左手の指先にかすかな痛みがあった。もちろん、そんなはずはない。俺はもう、すべての両手足を失っているからだ。
真っ白な表紙に真っ白な帯。装飾は何もない。とてもシンプルで潔い本が、書店にずらーっと並んでいた。 この本の持つ破壊力は、とにかく全編を読んでいただく形でしか伝えることができない。 だが、忙しくて日頃読書をする時間を十分割けない方にもこの本の素晴らしさを知ってもらいたい。 なので、僕が特に感銘を受けたエッセンスを10のリストにしてエントリーとて仕上げてみる。 この本の著者ジョン・キムさんは、本書刊行当時は慶応義塾大学の准教授であった。 キムさんのゼミは厳しいことで知られ、見学に訪れたハーバード大教授に、「ハーバードやエールよりもレベルが高い」と言わしめるほどだという。 そんなキムさんは、毎年卒業を控えるゼミ生たちに最終講義で「贈る言葉」という講義を行なってきたという。 本書はその卒業生たちに向けた贈る言葉をベースにしたものである。 1. 世界を征服するより自分を征服するほうが難しいと知れ 自
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