さて前回、概日リズムに関する実験により、午前10時前の就業を強制することは拷問に等しく、従業員の体調不良や疲労、あるいはストレスの原因になるという研究結果をお伝えした。 それは子供たちにとっても同様で、アメリカでは、10代の若者たちの睡眠不足が問題となっており、米国医師会(AMA)は子供たちが十分な睡眠時間を取れるよう、中学と高校の始業時間を午前8時半以降に遅らせるよう勧告する方針を決定したそうだ。 アメリカの10代の子供たちの睡眠不足問題 このポリシーは、6月14日にイリノイ州シカゴで開かれたAMAの年次会議で発表されたもので、アメリカの学校の1割近くが、追加授業、課外授業などの時間を捻出するため始業が午前7時半前後に設定されているという。 睡眠不足は、単に物理的な問題ではなく、精神的、感情的ストレスの要因になり、記憶力の低下や気分障害、免疫機能の低下、肥満など様々な健康問題を引き起こす