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ルクレティウスに関するainoutanoehonのブックマーク (3)

  • 詩歌の優劣。ルクレティウス『事物の本性について』(3)

    ルクレティウスの『事物の性について―宇宙論』に照らして詩を考えてきました。今回はそのまとめです。 ルクレティウスの『事物の性について―宇宙論』のような、古代からの西洋の文学伝統に屹立する作品と見比べると、日の詩歌はとても狭い世界のなかで、思想のかけらもない感情を歌っただけだ、と否定的に捉える見方もあります。たしかに抒情か叙景の短い詩である和歌を流とする日詩歌の文学伝統と、ルクレティウスの作品は、おなじ詩と呼ぶのがためらわれるほど、一見すると異質の別世界です。 私はこのような見方に対してまず、詩に作品の長さ、短さによる優劣はない、と考えます。膨大な行数の長い詩が優れているのでもなく、日の詩が短いから劣っているわけでもありません。なぜなら詩句に込め、歌い、伝えようとするものと、言葉のかたち、作品の姿は、切り離せず一体だからです。 日の短いかたちの詩歌は、もともと思想、概念を盛ろう

    詩歌の優劣。ルクレティウス『事物の本性について』(3)
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2011/09/06
    高畑耕治の詩想。古典から現代までの詩歌、文学を詩人の感性で捉えるエッセイ。 ルクレティウス『事物の本性について』(3)。
  • 詩と真実。ルクレティウス『事物の本性について』(2)

    ルクレティウスの『事物の性について―宇宙論』から、詩を考える試みの2回目です。今回は、思想と信仰と詩について思うことを記します。 ルクレティウスはこので、真理と確信する思想を読者に教えるために、その思想の根概念で事物を捉え描きなおし説明します。だからこのは、宇宙を理性で解読して原子論の正しさを証明しようとする論文ともいえます。 そのことは、たとえば彼の恋愛の捉え方に顕著に現われています。恋愛をその渦中に生きて心で歌うのが詩ですが、彼はそうするのではなく、男女恋愛心理や行動を外側から理知的に観察します、まるで動物行動学のような記述です。 宇宙そのものの捉え方についても、現代の科学のような、素粒子物理学や原子核物理学が放射性元素プルトニウムや放射性同位体セシウムを説明するのに通じるものを感じます。人間の理性と理知により宇宙は解き明かせるという科学信望、宇宙と照応する体系を記号と数式で

    詩と真実。ルクレティウス『事物の本性について』(2)
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2011/09/06
    高畑耕治の詩想。古典から現代までの詩歌、文学を詩人の感性で捉えるエッセイ。 ルクレティウス『事物の本性について』(2)。
  • 宇宙を歌う。ルクレティウス『事物の本性について』(1)

    ルクレティウスの『事物の性について―宇宙論』は、原子論を全六巻にわたる詩句で織りあげた稀有の長詩として、世界文学と思想史に独自の光を放ち輝いています。私はこのような類例のない作品を書きあげたルクレティウスに尊敬の念を覚えます。 この作品を読むことで惹き起こされた詩についての考えを、3回に分けて記します。 ルクレティウスは、このを詩句のリズムにのせて書き上げた理由を第四巻の冒頭で、「快くひびく歌をかりてこの教えをあなたに述べ、いわばムーサの甘い蜜で包もうと望むのだ。」と自ら述べています。 紀元前後を跨いで生きた彼の書には、思想書としての厳密な論理構成はなく、巻の内容の展開も、次のように気ままです。 第一巻 物質と空間、第二巻 アトムの運動と形、第三巻 生命と精神、第四巻 感覚と恋愛、第五巻 世界と社会、第六巻 気象と地質。 彼は、この宇宙の原理、源泉として原子、アトムの性を書き記すこと

    宇宙を歌う。ルクレティウス『事物の本性について』(1)
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2011/09/06
    高畑耕治の詩想。古典から現代までの詩歌、文学を詩人の感性で捉えるエッセイ。 ルクレティウス『事物の本性について』(1)。
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