沖縄出身の詩人、山之口貘(やまのくち ばく)の作品を通して詩を見つめ考えています。好きな詩の引用に続けて、☆印の後に、私の詩想を記します。最終の今回テーマは感受性、時間感覚、宇宙感覚です。 夜 僕は間借りをしたのである 僕の所へ遊びに来たまへと皆に言ふたのである そのうちにゆくよと皆は言ふのであつたのである 何日経つてもそのうちにはならないのであらうか 僕も、僕を訪ねて来る者があるもんかとおもつてしまふのである 僕は人間ではないのであらうか 貧乏が人間を形態して僕になつてゐるのであらうか 引力より外にはかんじることも出来ないで、僕は静物の親類のやうに生きてしまふのであらうか 大概の人生達が休憩してゐる夜中である 僕は僕をかんじながら 下から照らしてゐる太陽をながめてゐるのである とほい昼の街の風景が逆さに輝やいてゐるのをながめてゐるのである まるい地球をながめてゐるのである ☆私の詩想 最