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短歌に関するainoutanoehonのブックマーク (33)

  • 赤羽淑「式子内親王の歌における時間の表現」(八)生のいとおしさ、厳粛さ

    敬愛する歌人、式子内親王(しょくしないしんのう)の詩魂を、赤羽 淑(あかばね しゅく)ノートルダム清心女子大学名誉教授の二つの論文「式子内親王における詩的空間」と「式子内親王の歌における時間の表現」を通して、感じとってきました。今回が最終回です。 論文「式子内親王の歌における時間の表現」に呼び覚まされた私の詩想を記します。 ◎以下、出典からの引用のまとまりごとに続けて、☆記号の後に私が呼び起こされた詩想を記していきます。 和歌の後にある作品番号は『式子内親王全歌集』(錦仁編、1982年、桜楓社)のものです。 (和歌の現代仮名遣いでの読みを私が<>で加え、読みやすくするため改行を増やしています)。 ◎出典からの引用1 (六の続き) ながめつる今日はむかしになりぬとも軒ばの梅は我をわするな  210(新古今・春上 五二) <ながめつる きょうはむかしに なりぬとも のきばのうめは われをわする

    赤羽淑「式子内親王の歌における時間の表現」(八)生のいとおしさ、厳粛さ
  • 古典、明治までの日本語がなぜ読めないのか。変体仮名(一)

    新古今和歌集や、源氏物語、伊勢物語など多くの愛する古典や、松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶、夏目漱石の毛筆の直筆に、私は心から親しい気持ちを抱いてきましたが、最近まで読むことができませんでした。でも、前回紹介した次の二冊のを学ぶだけで読めるようになりました。 『入門 日語のくずし字が読める』(角田恵理子:つのだ・えりこ、2010年、講談社)。 『実践 日語のくずし字が読める』(角田恵理子:つのだ・えりこ、2011年、講談社)。 古典、明治までの日語がなぜ読めないのか、ようやくわかりました。 変体仮名を教わらず、知らす、学ばなかったからです。くずし字であることは毛筆を眺めれば誰でもわかります。また、ひらがなは漢字の字体がくずれてできたことも学校で知識として教わり知っています。私もそれ以上は掘り下げ学ばずに、五十音のひらがなは五十の漢字をくずしてできたから、五十文字と思い込んでいました

    古典、明治までの日本語がなぜ読めないのか。変体仮名(一)
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    ainoutanoehon 2013/07/01
    古典、明治までの日本語がなぜ読めないのか。変体仮名(一)
  • 吉川宏志。梅内美華子。歌の花(四八)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。歌の花の連載は今回で終了となります。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ■ 吉川宏志(よしかわ・ひろし、1969年・昭和44年宮崎市生まれ)。 夕闇にわずかに遅れて灯りゆくひとつひとつが窓であること  ◆『青蟬』1995年・平成7年 ◎ひとつひとつわずかに遅れて灯る窓をとおして、窓のなかの部屋とそこにいる人に想いを馳せさせる歌。自然に人を想うということが、心を暖かくすることを、思い出させてくれるような、なつさしさを感じるような歌です。直接言葉にしないこ

    吉川宏志。梅内美華子。歌の花(四八)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
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    ainoutanoehon 2013/06/25
    吉川宏志。梅内美華子。歌の花(四八)。歌の花(四八)。
  • 俵万智。口語心に響き。歌の花(四六)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ● 俵万智(たわら・まち、1962年・昭和37年大阪生まれ)。 寄せ返す波のしぐさの優しさにいつ言われてもいいさようなら  『サラダ記念日』1987年・昭和62年 ◎彼女の歌は、日常の言葉そのままの、力まない柔らかな口語であること、会話と同じように意味を伝えることを大切にしていること、これらが優れている歌ですので、共感、いいなという想いが多くの読者の心に自然に生まれるのだと感じます。 言葉の調べも美しく、「しぐさSI

    俵万智。口語心に響き。歌の花(四六)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
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    ainoutanoehon 2013/06/19
    俵万智。口語心に響き。歌の花(四六)。
  • 加藤治郎。大辻隆弘。紀野恵。歌の花(四五)。

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ■ 加藤治郎(かとう・じろう、1960年・昭和35年名古屋市生まれ)。 鋭い声にすこし驚く きみが上になるとき風にもまれゆく楡  『サニー・サイド・アップ』1987年・昭和62年 もうゆりの花びんをもとのもどしてるあんな表情を見せたくせに ◎二首ともに、男女の心と体の交わりをストレートに口語で表現しています。 一首目は男性が感じる女性を歌っています。性愛を歌いながら露骨描写と感じないのは、愛する女性の比喩に選び取った

    加藤治郎。大辻隆弘。紀野恵。歌の花(四五)。
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    ainoutanoehon 2013/06/17
    加藤治郎。大辻隆弘。紀野恵。歌の花(四五)。
  • 水原紫苑。死生、愛と美。歌の花(四四)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ● 水原紫苑(みずはら・しおん、1959年・昭和34年横浜生まれ)。 とても繊細な感性で言葉の泉からふるえ輝く詩句をすくいあげるような叙情歌人です。どの歌も美しく、私はとても好きです。 光線をおんがくのごと聴き分くるけものか良夜眼(まなこ)とぢゐる  『びあんか』1989年・平成元年 ◎「良夜」という詩句から、月のひかりを浴びて息する「けもの」、生き物である身をみつめます。「光線をおんがくのごと聴き分くる」という詩句

    水原紫苑。死生、愛と美。歌の花(四四)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
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    ainoutanoehon 2013/06/15
    水原紫苑。死生、愛と美。歌の花(四四)。
  • 坂井修一。川野里子。米川千嘉子。歌の花(四三)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ■ 坂井修一(さかい・しゅういち、1958年・昭和33年愛媛県生まれ)。 見上ぐれば狂(ふ)れよとばかり山澄みていやおうも無しわれは立たさる 『ラビュリントスの日々』1986年・昭和61年 ◎高く広大な山脈を目の前に見上げた時の感動が響く美しい歌。「狂(ふ)れよとばかり」、「いやおうも無し」という詩句が感動を強め、高めています。「立たさる」と受動態で終えていることで、自然を前にした自分の小ささと、自然に生かされている

    坂井修一。川野里子。米川千嘉子。歌の花(四三)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
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    ainoutanoehon 2013/06/13
    坂井修一。川野里子。米川千嘉子。歌の花(四三)。
  • 久葉尭。小島ゆかり。歌の花(四二)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ■ 久葉尭(くば・たかし、1955年・昭和30年山口県生まれ)。 生まれ来むはじめての子を待つ日々の心はただに遠浅(とほあさ)なせり  『海上銀河』1987年・昭和62年 ◎もうすぐ生まれてくる第一子を待ち望む心象風景を、遠浅の砂浜の海の景色に重ね描きだして、印象的な歌です。 つはつはと牡丹雪降る生れこし吾子の一生(ひとよ)の黎明をふる ◎「つはつはとTUWATUWATO」という詩句表現に不思議な感性を感じますが、わ

    久葉尭。小島ゆかり。歌の花(四二)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
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    ainoutanoehon 2013/06/10
    久葉尭。小島ゆかり。歌の花(四二)。
  • 栗木京子。抒情の水惑星(みづわくせい)。歌の花(四一)。

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ● 栗木京子(くりき・きょうこ、1954年・昭和29年名古屋市生まれ)。 夜道ゆく君と手と手が触れ合ふたび我は清くも醜くもなる  『水惑星』1987年・昭和59年 ◎女性の心模様、性意識の清らかな揺れ動きを感じる歌です。「醜くも」と感じるのは初々しいプラトニックな眼差しだからです。泥にまみれていては泥を醜く感じません。 「触れ合うたび」と6音として1音字足らずにしていることで、手が触れた瞬間の息が止まる、ためらいの間

    栗木京子。抒情の水惑星(みづわくせい)。歌の花(四一)。
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    ainoutanoehon 2013/06/08
    栗木京子。抒情の水惑星(みづわくせい)。歌の花(四一)。
  • 武下奈々子。松平盟子。歌の花(四〇)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ● 武下奈々子(たけした・ななこ、1952年・昭和27年香川県生まれ)。 軍艦と烏賊釣り船がさりげなく行き交ひてゐる日海です  『樹の女』1988年・昭和63年 ◎この歌は、冒頭の「軍艦」という詩句のいかめしさと重さ、鈍い黒、戦争・紛争のイメージの波紋と、烏賊釣り船の生活感が交錯し拡がった後、最後に置かれた口語の丁寧語の詩句「です」で、歌の音調、色合いが和らげられ、日頃親しんでいる普段の日海の風景に一変します。

    武下奈々子。松平盟子。歌の花(四〇)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
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    ainoutanoehon 2013/06/06
    武下奈々子。松平盟子。歌の花(四〇)。
  • 塘健。今野寿美。(三九)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ■ 塘健(つつみ・けん、1951年・昭和26年長野県生まれ)。 青空へひとすぢ奔り去る水のそのかなしみを歌といふべし  『火冠』1983年・昭和58年 水田(すいでん)に薄氷(うすらひ)結ぶその朝(あした)夢のごとくに立てり白鷺 真夜にして胸つき上ぐるもののあり永久(とは)に雪ふる星こそ故郷 ◎とても澄みとおるイメージを美しく映し出す歌人です。 一首目は、歌そのものを感じる、とても美しい歌で好きです。青空へ、ほとばし

    塘健。今野寿美。(三九)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2013/06/04
    塘健。今野寿美。(三九)。
  • 阿木津英。永井陽子。影山一男。歌の花(三八)。

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ● 阿木津英(あきつ・えい、1950年・昭和25年福岡県生まれ)。 ああああと声に出して追い払うさびしさはタイル磨きながらに  ◆『紫木蓮まで・風舌』1980年・昭和55年 柿の木のうちの力が朱に噴きて結びたりけるこずえこずえに  ◆『天の鴉片』1983年・昭和58年 ◎一首目は、日常のなかでの心模様を吐露する歌。「さびしさはタイル磨きながらに」「ああああと声に出して追い払う」と置き換えると限りなく散文に近づくことか

    阿木津英。永井陽子。影山一男。歌の花(三八)。
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2013/06/02
    阿木津英。永井陽子。影山一男。歌の花(三八)。
  • 道浦母都子。感情と情熱の、歌の花(三七)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ● 道浦母都子(みちうら・もとこ、1947年・昭和22年和歌山市生まれ)。 催涙ガス避けんと秘かに持ち来たるレモンが胸で不意に匂えり  『無援の抒情』1980年・昭和55年 ◎1969年の大学紛争の象徴のようになった歌集の歌。レモンの甘酸っぱさと鮮やかな黄は、近代文学・詩歌の世界では青春の象徴になっていて、梶井基次郎の小説、宮澤賢治や高村光太郎の詩の哀感が木魂して聴こえます。私も「潮風」という詩でこの伝統の感性を響か

    道浦母都子。感情と情熱の、歌の花(三七)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2013/05/31
    道浦母都子。感情と情熱の、歌の花(三七)。
  • 永田和宏。花山多佳子。歌の花(三六)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ■ 永田和宏(ながた・かずひろ、1947年・昭和22年滋賀県生まれ)。 動こうとしないおまえのずぶ濡れの髪ずぶ濡れの肩 いじっぱり!  『メビウスの地平』1975年・昭和50年 ◎愛し合う女性との雨に打たれながらのドラマの情景を男性が歌っています。「ずぶ濡れ」という詩句の繰り返しが、青春の匂いを漂わせます。その音「ZUBUNURE」にも雨の重さに浸らされる響きがあります。一呼吸とめての最後の詩句「いじっぱり!」は、思

    永田和宏。花山多佳子。歌の花(三六)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2013/05/29
    永田和宏。花山多佳子。歌の花(三六)。
  • 伊藤一彦。大島史洋。時田則雄。歌の花(三五)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ■ 伊藤一彦(いとう・かずひこ、1943年・昭和18年宮崎市生まれ)。 月の出も日の出も見ずにあり経る日空空漠漠くうくうばくばく  『火の橘』1982年・昭和57年 吾を生みしもの地にありと思へども二階にのぼり月にちかづく  『青の風土記』1990年・昭和62年 ◎歌人の、天体、宇宙への馳せる思いを感じる二首です。 一首目から、月の出や日の出を見て、宇宙の遥かさを感じることが、この歌人にとって生きることの充実に強く結

    伊藤一彦。大島史洋。時田則雄。歌の花(三五)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2013/05/27
    伊藤一彦。大島史洋。時田則雄。歌の花(三五)。
  • 成瀬有。佐藤通雅。三枝昂之。歌の花(三四)。

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ■ 成瀬有(なるせ・ゆう、1942年・昭和17年愛知県生まれ)。 水界の峠は越えよ舞ふ白きひとひらの身のかなしくば、鳥  『流されスワン』1981年・昭和56年 ◎イメージが美しく浮かびあがる詩です。五七調で、「すいかいの」五音、「とうげはこえよ」七音の後に大きな区切り・谷をつくり倒置し、「かなしくば」の後少し小さな区切り・谷でもう一度倒置し、最後の一語「鳥」、白鳥への呼びかけを、歌のクライマックスにまで高めています

    成瀬有。佐藤通雅。三枝昂之。歌の花(三四)。
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2013/05/25
    成瀬有。佐藤通雅。三枝昂之。歌の花(三四)。
  • 藤井常世。笛のように。歌の花(三二)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ● 藤井常世(ふじい・とこよ、1940年・昭和15年東京生まれ)。 よぢれつつのぼる心のかたちかと見るまに消えし一羽の雲雀  ◆『紫苑幻野』1976年・昭和51年 ◎ひばりの飛翔の軌跡に、眼にはみえない「心のかたち」を見、感じとっています。「見るまに消えし」と見失ったことで逆に歌の中で、一羽の雲雀の姿をどこに消えたんだろうと、心は見つめ探し続けます。 いちにちを降りゐし雨の夜にても止まずやみがたく人思ふなり  ◆ ◎

    藤井常世。笛のように。歌の花(三二)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2013/05/21
    藤井常世。笛のように。歌の花(三二)。
  • 佐々木幸綱。春日井健。歌の花(三〇)。

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ■ 佐々木幸綱(ささき・ゆきつな、1938年・昭和13年東京生まれ)。 ◎前回の寺山修司とともにこの歌人も個性の際立つ歌人です。男歌を歌う歌人です。「男性的な」姿と心のあり方を押し出しているので、読者により好き嫌いが分かれる気がします。 男歌らしく、愛する女性を「お前、おまえ」と呼び、「抱き合う」のではなく能動的に「抱(いだ)く」と歌います。 私は性について、とくに心では、女と男は陸続きで混じり行き交うものでさえある

    佐々木幸綱。春日井健。歌の花(三〇)。
    ainoutanoehon
    ainoutanoehon 2013/05/19
    佐々木幸綱。春日井健。歌の花(三〇)。
  • 水野昌男。石田比呂志。来嶋靖生。小野興二郎。奥村晃作。小中英之。歌の花(二六)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 今回は1930年代生まれの6人の歌人の短歌です。 ■ 水野昌男(みずの・まさお、1930年・昭和5年東京生まれ)。 石ころを音もたてずに押し上げてすっくと立ちし寒霜柱  ◆『正午』1928年・平成13年 ◎私は抒情歌、心を歌う歌が、景色を描写、写実するだけの叙景歌より好きです。でもこの歌のように、叙景だけのように見える言葉で、心のあり方や精神性を、象徴させ感じさせてくれる歌は好きです。「音をたてずに」と「すっくと」と

    水野昌男。石田比呂志。来嶋靖生。小野興二郎。奥村晃作。小中英之。歌の花(二六)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
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    ainoutanoehon 2013/05/09
    水野昌男。石田比呂志。来嶋靖生。小野興二郎。奥村晃作。小中英之。歌の花(二六)。
  • 雨宮雅子。高嶋健一。田井安曇。歌の花(二五)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

    出典の2冊の短歌アンソロジーの花束から、個性が心に響いてきた歌人について好きだと感じた歌の花を数首ずつ、私が感じとれた言葉を添えて咲かせています。生涯をかけて歌ったなかからほんの数首ですが、心の歌を香らせる歌人を私は敬愛し、歌の美しい魅力が伝わってほしいと願っています。 出典に従い基的には生年順です。どちらの出典からとったかは◆印で示します。名前の前●は女性、■は男性です。 ● 雨宮雅子(あめみや・まさこ、1929年・昭和4年東京生まれ)。 たましひはここに遊ぶと菜の花のうすあかりを黄のひとうねり  『鶴の夜明けぬ』1976年・昭和51年 さくらばな見てきたる眼をうすずみの死より甦(かへ)りしごとくみひらく  ◆『悲神』1980年・昭和55年 百合の蕊(しべ)かすかにふるふこのあしたわれを悲しみたまふ神あり  ◆ 生き残る必死と死にてゆく必死そのはざまにも米を磨ぎゐつ  ◆『雲の午後』1

    雨宮雅子。高嶋健一。田井安曇。歌の花(二五)。愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想
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    ainoutanoehon 2013/05/07
    雨宮雅子。高嶋健一。田井安曇。歌の花(二五)。