こんにちは。 ナインです。 本日も本の紹介です。 今回紹介する作品は 『昆虫図』 です。 久生十蘭の作品です。 久生はどちらかというと短編でこそ本領を発揮している気がします。 『昆虫図』も短編ですので是非ご一読ください。 少しずつ久生の作品について書いていけたらなと思います。 もしかしたらシリーズ化するかもしれません。 最後のオチについて書くことはありませんが、描写の言及はしているのでお気をつけください。 あらすじ 伴団六は、青木と同じく、大して才能のなさそうな貧乏画かきで、地続きの古ぼけたアトリエに、年増くさい女と二人で住んでいた。 青木がその裏へ越して以来の、極く最近のつきあいで、もと薬剤師だったというほか、くわしいことは一切知らなかった。 職人か寄席芸人かといったように髪を角刈にし、額を叩いたり眼を剥いて見せたり、ひとを小馬鹿にした、どうにも手に負えないようなところがあって、これが、